雑感のススメ

三浦大知を摂って生きている

球体解釈 4.閾

 前曲↓
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孤独な部屋から、場面は転換を迎える。

ベッドを押し込んだ後、男は半球状の器を持ち出す。そしてどこからか用意した水槽から、水を注ぐ。空へ静かに浮かび上がる器に少し躊躇いがちに硝子壜を入れ、曲は「淡水魚」へと移っていく――

 

 

端的に言えばインタールード的な役割の曲であり、独演でも場面転換(踏み込んで言うと時系列変化)に使われているが、インストゥルメンタルであるが故の難解さがある。

 

まず「閾」とは、簡単に言えば内外の区切りという意味の言葉。ここでは何の区切りなのか。恐らく次曲「淡水魚」(過去)への境となる、ということだろう(無論ただの推測)。鍵となるのは独演で上記のように注がれていた水。個人的にこれは球体の中でも解釈の難しさはかなりのものだと感じるが、「浴槽に水を溜める」ことの示唆ではないかと思う。また「綴化」での

器を満たす涙に浮かんだ

という歌詞の示すところだとも考えられる。詳しくは該当曲にて。

さらに、終盤では歌声のようなものが聴こえ、かすかに「君が笑った」と聞き取れる。これは「クレーター」での歌詞。主人公の、物語の原動力とも言うべきフレーズである。

 

 

 次曲「淡水魚」にて、君がいなくなった理由が明かされる。

 

 

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